鼻の症状

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くしゃみ/はなみず/はなづまり

アレルギー性鼻炎(あれるぎーせい・びえん)

はじめに

「サラサラの鼻水が出る」「くしゃみを繰り返す」「鼻詰まりがつらい」などの症状があります。ダニやホコリ、花粉などの「アレルゲン」を吸い込みアレルギー反応が起きている状態です。2019年に発表された疫学調査では、日本人の3人に1人(38.8%)がスギ花粉症、4人に1人(24.5%)が通年性アレルギー性鼻炎、2人に1人(49.2%)が何らかのアレルギー性鼻炎を患っているとのことでした。

治療

薬物療法
症状が軽度の場合には、抗アレルギー薬の内服や点鼻を行います。新しい抗アレルギー薬には、1日1回の内服で済み、眠気などの副作用がない薬があります。

免疫舌下療法
少量から「ダニ」や「スギ花粉」のエキスを服用することによって体を慣らし、アレルギー性鼻炎の症状を和らげます。 「ダニ治療薬:ミティキュア」と「スギ花粉治療薬:シダキュア」は5歳以上に使用することができ、成人と同様に安全に治療ができます。

STEP

1日1回、舌の下にお薬を置き、1分間保持した後に飲み込んでください。

STEP

その後5分間は、うがいや飲食をしないでください。

STEP

アレルギー症状の有無にかかわらず、毎日、3年以上にわたり継続して服用する必要があります。

副鼻腔炎(ふくびくうえん)

はじめに

「黄色の鼻水が出てきた」「鼻づまりがする」「臭いにおいがする」「頭や頬が重い感じがする」などの症状があります。風邪を引いた後や急性鼻炎の後に、鼻の奥にある「副鼻腔」に炎症が残ってしまうことが原因です。「副鼻腔炎」を放置し慢性化すると「鼻茸(ポリープ)」ができます。

各症状の写真
副鼻腔炎の写真

風邪を引いた後から、ドロドロした鼻水が出てきて、左頬が重い感じがするため受診されました。鼻の奥(上咽頭)に膿がたまっていて、レントゲン写真で左の上顎洞に炎症があります。

鼻茸の写真

10年前から鼻づまりがあり、副鼻腔炎と診断されましたが放置していました。最近になり、匂いがしなくなってきたため受診されました。両方の鼻に鼻茸(ポリープ)があり、鼻閉や嗅覚障害の原因となっています。

治療

抗菌薬や去痰剤、抗アレルギー剤を内服します。軽度から中等度の副鼻腔炎では、1-2か月間内服すると症状が改善します。重症の副鼻腔炎や3か月間内服しても良くならない場合には、手術が必要になります。

血管運動性鼻炎(けっかんうんどうせい・びえん)

はじめに

「食事の時に鼻水が出る」「温度差があると鼻水がたれる」などの症状があります。鼻の自律神経が、周囲の環境に過敏に反応するためと考えられています。高齢の方では水様性鼻漏のみを訴えることが多く、老人性鼻漏「old man’s drip」と呼ばれます。

治療

アレルギーの検査や鼻のレントゲン写真を撮影し、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎があるかどうか調べます。検査で異常なく、「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」があるようなら、血管運動性鼻炎と診断されます。 血管運動性鼻炎の治療には、点鼻ステロイド薬や抗ヒスタミン薬を使用します。

血が出る/かさぶたができる

鼻出血症(びしゅっけつしょう)

はじめに

鼻出血のほとんどは、鼻の触りすぎで粘膜に傷がついてしまうことが原因です。鼻の入り口のキーゼルバッハ部位に傷ができると、細かい血管が多くあるため頻繁に鼻出血を繰り返し、なかなか止まらなくなります。

症状写真

鼻を触る癖があり、以前から時々鼻出血を繰り返していました。昨日の夜間から鼻出血が止まらなくなり、受診されました。左鼻のキーゼルバッハ部位から出血を認めます。表面麻酔をした後、止血処置しました。

治療

鼻の中を内視鏡で観察し、出血している場所を確認します。麻酔をしみこませたガーゼを鼻に入れて、出血しているところを電気凝固し止血します。痛みはほとんどなく、5分程度で終わります。 鼻を触ったり刺激を与えたりすると再出血するため、しばらくは触らないようにしましょう。

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