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透析療法

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透析療法

透析療法とは、血液を体外循環させて人工の透析膜(半透膜)を介し、尿毒素などで汚れた血液と透析液を接触させ、血液をきれいにする治療法です。

血液透析の流れ

血液透析法(HD)

血液透析法は、拡散・濾過(ろか)を用い、血液と透析液の温度差を利用して、血液中の老廃物や過剰な水・電解質を取り除き、体液を浄化する治療法です。慢性腎不全に対する一般的な治療法で急性腎不全でも用いられます。

拡散って?

水に溶けた物質が均一になるために、物質自身が移動する現象のことをいいます。お茶の葉にお湯を入れると、お湯全体にお茶の成分が溶け出すイメージです。

濾過(ろか)って?

半透膜(小さい孔が開いている膜)を介して、2つの溶液の一方に圧力を加えると、もう一方の溶液中に水分が移動する現象のことです。

血液透析では、ポンプで陰圧(引っ張る力)をかけて、血液中から透析液の方へ水分を移動させています。機械を用いるろ過現象のため、血液透析の水分の移動(除水)を限外濾過(ろか)と呼んでいます。

血液濾過(ろか)法(HF)

血液透析法では、拡散と濾過(ろか)の原理を用いた治療法でしたが、血液濾過(ろか)法は拡散の原理を用いていません。血液透析法では除去の難しかった中分子量以上の物質の除去に優れています。
中分子量以上の物質は、物質の大きさが大きいため、半透膜の孔を通ることが困難です。そこで限外濾過(ろか)をおこない半透膜の孔を通る水の流れを作ることで、拡散では難しかった物質でも流れにのって物質の除去が可能となります。
また限外濾過(ろか)を多量に行い血液中の水分と一緒に物質の移動を行っているので、体液の補充が必要になるため電解質の点滴で補充します。
循環動態が不良で、血液透析に耐えられない場合(低血圧、心不全など)や不均衡症状の強い場合、また緑内障の患者さまにも使用されます。

血液濾過(ろか)の物質の流れ

【小分子量物質】
水・ナトリウム・カリウム・無機リン・アルミニウム・クレアチニンなど
【中分子量物質】
ポリペプチド・ポリオールなど 中分子量物質には尿毒症毒素の中でも強い毒性を有する物質があります
大分子量物質 : 低分子タンパク】
β2ミクログロブリン・インスリン・レニンなど 大分子量物質の中でも、体に必要なタンパク質のアルブミンより小さいタンパク質を低分子タンパクと呼んでいます

血液透析濾過(ろか)法(HDF)

血液透析法と血液濾過(ろか)法を併せたような治療法です。血液の拡散と限外濾過(ろか)で血液を浄化し、電解質の点滴を行います。血液透析法の低分子量物質の除去性能と、血液ろ過法の中分子量以上の物質の除去性能を併せ持っています。
関節痛、皮膚掻痒(かゆみ)感、不眠、イライラ感、レストレスレッグ症候群(足のイライラ)、透析アミロイドーシス、透析困難症などで使用されます。

特殊な血液浄化法

肝不全や高LDL血症・ASO(閉塞性動脈硬化症)などの血液疾患、免疫・神経疾患といった治療方法として、血液浄化療法があります。血液内の血漿には身体にとって必要不可欠なコレステロールやリン脂質などがありますが、これらが増えすぎると身体に悪影響を及ぼします。そのため、病気の原因に関連する物質を除去し、凝固因子を補充する必要があります。

血液吸着療法

血液中に存在する病因物質を吸着剤を用いて除去する治療法です。
水道水の活性炭浄化器は水道水に溶けているゴミを活性炭に通すことで、活性炭にゴミを吸着させて水道水をきれいにしていますが、血液吸着法も同じ原理で血液をきれいにしています。

血液吸着療法(直接血液灌流法:DHP)
吸着剤に患者さんの血液を直接接触させ、病気の原因に関連する物質を取り除く治療法です。 右図のように体から血液取り出し、吸着剤の入ったカラムと呼ばれる吸着器に通して、目標物質を吸着除去し、体へ血液を戻します。

対象疾病…薬物中毒・肝性昏睡・高ビリルビン血症・重症感染症 など

血漿(けっしょう)交換療法・血漿(けっしょう)吸着療法

血漿(けっしょう)交換・吸着療法では、血漿(けっしょう)分離器を用いて、血液を血球成分と血漿(けっしょう)成分に分離します。分離された血漿(けっしょう)はそのまま廃棄されるか、吸着器に通して除去し、先ほど分離した血球成分にもどし、体に返します。

血漿(けっしょう)分離器
血漿(けっしょう)分離器とは、血液透析法で使用している半透膜よりも孔のサイズが大きくなっています。透析器では血漿(けっしょう)成分が抜け出すことはありませんが、血漿(けっしょう)分離器では血球成分と血漿(けっしょう)成分を分けることができます。

単純血漿(けっしょう)交換(PE)
血漿(けっしょう)分離器により分離された血漿(けっしょう)成分をすべて排液し、同等量の献血から得られた健常な血漿(けっしょう)を置き換えます。

対象疾病…肝疾患・血液疾患・神経疾患・代謝性疾患・腎疾患・皮膚疾患 など

二重膜濾過(ろか法(DFPP)
血漿(けっしょう)分離器により分離された血漿(けっしょう)成分を、より小さな穴の血漿(けっしょう)離器に通して大分子量蛋白を取り除き、小分子量蛋白をアルブミン溶液とともに体内に戻します。

対象疾病…膠原(こうげん)病・全身性エリテマトーシス(SLE) など

腹水濾過(ろか)濃縮再静注法(CART)

難治性腹水症患者の腹水を取り出し、それを濾過(ろか)および濃縮して血漿(けっしょう)用蛋白濃度に調整した後、患者の静脈に再注入する治療法です。
この治療を施すことにより苦痛・腹圧の軽減、循環血漿(けっしょう)量の増加、血漿(けっしょう)浸透圧の上昇がみこまれ、全身状態・栄養状態の改善が期待されます。

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