活動報告:NST(栄養サポートチーム) 事例『褥創』

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活動報告:NST(栄養サポートチーム) 事例『褥創(じょくそう)』

褥瘡(じょくそう)とはいわゆる床ずれ

褥瘡(じょくそう)は寝たきりで身体を動かせない人に発生しやすい傷です。身体と接触している部分(おしり・腰・背中・ひじ・かかとなど)ならどこでも起こりえます。その中でいちばん発生率が高いのは、体重がかかりやすいおしりの中央のやや上にある仙骨部という箇所です。 褥瘡(じょくそう)にならないためにも自力で体位を変えることができないご家族がいらっしゃる家庭では、こまめに体位を変えて、同じ箇所がずっと圧迫されないようにしてください。

褥瘡(じょくそう)の介入事例

<入院~1週間>
寝たきり・全介助で自宅療養でしたが、食事はほとんどとれておらず、誤嚥性(ごえんせい)肺炎で入院されました。栄養状態も悪く褥瘡(じょくそう)があるため、NST介入となりました。

<1週間~1ヶ月後>
経口摂取*¹は不可能でありNSTカンファレンスにて胃ろう*²からの栄養療法を選択しました。胃ろうを造設後、偽膜性大腸炎を併発し栄養状態が悪化したため、高カロリー輸液に変更しました。また褥瘡(じょくそう)チームと連携し栄養状態の改善と体位変換処置回数の増加を行いました。

<1ヶ月~3ヵ月後>
胃ろうからの栄養療法では不充分だったため、NSTカンファレンスにて腸ろう*³からの栄養療法へ切り替えました。検査データや患者さんの状態を経過観察しながら、腸ろうへの経腸栄養剤の種類や量の見直しを繰り返し行い、栄養状態は徐々に改善し褥瘡は少しずつ縮小し治癒となりご自宅へ退院されました。

*¹ 経口摂取 … 口から食べ物(栄養)をとること
*² *³ 胃ろう、腸ろう … 口から食べ物をとるのが困難な場合、管を使って栄養を送る。胃へ管をつなぐ場合は、胃ろう。腸へつなぐ場合は、腸ろう。

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